(本宮質問)
問1 今後の感染拡大に備え、保健所の体制強化にどのように取り組んでいくのか。

【中村知事答弁】
全国的な感染拡大が続き、本県においてもクラスターが発生するなど陽性確認が急増している中、陽性となった方に寄り添いながらも積極的疫学調査を行う保健所、正確かつ迅速な検査を実施する衛生環境研究所、多くの患者を受け入れる医療機関、最前線で使命感を持って治療に携わる医療従事者など、県民の皆さんの命や健康を守るため奮闘されている関係者の皆様に改めて感謝申し上げたい。
確認された事例からの更なる感染拡大を防ぐためには、感染者や濃厚接触者等の迅速な把握と、感染事例の確実な囲い込みが不可欠であることから、関係者の把握や健康観察等を担う保健師などの専門職を確保し、保健所の体制強化を図ることが重要である。
県では、年度当初より保健所の体制強化を進めており、11月末時点で6名のOB保健師を、会計年度任用職員として県下の保健所へ配置したのに加えまして、新たに、年内の運用開始を目指して、市町などの保健師を、県の保健所に派遣していただく仕組みの構築を進めているところである。各方面からの支援により、必要な専門職の確保に一定の目途がつくとともに、市町などの保健師に保健所業務を経験していただくことは、保健所機能の充実のみならず、県下全体の新型コロナ対応の底上げにもつながる。
また、今回、陽性確認やクラスターが集中した松山市保健所に県の保健師を複数応援派遣しているように、状況に応じて、保健所間での専門職の相互支援を実施し、必要があれば、国が構築している、都道府県を越えた保健師等の応援派遣スキームも活用することとしており、感染防止には、何よりも、県民の皆様の感染回避行動の徹底が重要であるが、県としても、引き続き緊張感を持って、保健所の体制強化と感染拡大の防止に努めてまいりたい。

(本宮質問)
問2 鳥インフルエンザにどのように対応しているのか。また、本県で発生した場合の備えはどうか。

【中村知事答弁】
高病原性鳥インフルエンザは、強い感染力や高い致死率から畜産経営に甚大な被害をもたらす重大な疾病であり、本県では、香川県での最初の事例の発生を受けて、直ちに緊急防疫会議を開催し、衛生管理基準に沿った野生動物の侵入防止対策や消毒などを生産者に徹底するとともに、家畜伝染病予防法に基づく消毒命令を二度にわたって発出し、消石灰を配付して緊急消毒を行うなど、最大限の警戒感とスピード感を持って予防措置を講じている。
それでも万が一の発生時には、対策本部を速やかに立ち上げ、私がトップとなって、全庁を挙げて防疫措置を行うこととしている。また、発生に備えて平時から、動員体制の整備や初動防疫に必要な防疫資機材の配備、防疫作業に協力いただく県建設業協会など民間団体との支援協定の締結に加え、自衛隊や警察等の関係者も参加する防疫演習を毎年実施し、対処方法や手順の確認を行うなど、早期の終息が図れるよう防疫体制の強化に努めている。
鳥インフルエンザは、冬から春にかけての発生が多く、今シーズンの脅威が去るまでには時間がかかるが、引き続き、市町や関係団体等との緊密な連携のもと、しっかりと緊張感を持って、高いレベルでの警戒態勢を維持するとともに、昨年度から家畜伝染病に関する連携を深めている岡山理科大学獣医学部の専門的な知見も活かしながら、発生予防はもとより、発生時に備えた防疫対策に万全を期してまいりたい。

(本宮質問)
問3 農作業の機械化や農業従事者の高齢化が進む中、農作業の安全対策にどのように取り組んでいるのか。

【馬越農林水産部長答弁】
本県では、農用運搬車や乗用トラクターの転倒・転落や、本県特有の柑橘運搬用モノレールでの事故、熱中症など、農作業中の大変痛ましい事故により、平成30年は5名、昨年も4名の方が亡くなっており、発生件数は、ここ数年横ばいで、全国と同様、ほとんどが65歳以上の高齢者の方によるものとなっている。
このため県では、昨年度、農業機械メーカーや農業機械士協議会、愛媛大学、JA等の参画のもと、愛媛県農作業安全対策推進協議会を設立し、危険事例に関するアンケート結果を踏まえ、農作業中に起こったヒヤリ・ハット事例のリーフレットを作成・配布し、農業者に注意喚起を行うとともに、農業大学校や各普及拠点において、死亡事故が多い高齢者をはじめ、女性や新規就農者等を対象に、機械作業の実技指導を行う安全講習会を計22回開催し、農作業中の事故防止に努めている。
また、今年度は、傾斜地での作業負担の軽減や安全確保にも繋がるドローンやラジコン草刈り機の導入支援のほか、自動運転システム付きトラクターの講習会を開催するなど、新たな安全管理の視点が必要なスマート農業に対応した取組みも進めており、今後とも関係団体等と連携しながら、農作業の安全対策に努めてまいりたい。

(本宮質問)
問4 今回の原子力防災訓練を踏まえ、原子力防災対策の充実・強化にどのように取り組んでいくのか。

【福井防災安全統括部長答弁】
今年度の訓練では、99機関、約2万人の参加を得て、昨年度の訓練の検証に基づく改善や新規の取組みも盛り込み、住民の広域避難訓練や新型コロナウイルス感染症対策、ドローンの実証実験等、総合的な訓練を実施した。
広域避難訓練では、大分県国東半島の日出町や本県の愛南町で、初めて避難住民の受入訓練を実施したほか、宇和島市嘉島や八幡浜市大島での海路避難訓練を行うなど、広域避難体制の更なる充実に努めるとともに、コロナ禍での避難対策では、体調不良者専用の避難所開設や、一般避難者と別便のバスでの広域搬送など、感染症対策と放射線防護措置の両立に取り組み、避難対策の向上を図った。
さらに、ドローンの実証実験では、JAXAと連携し、全国初の取組みとなるヘリとドローンの衝突回避訓練を行うとともに、14の避難ルートの自律飛行に加え、新たに、飛行ルートを自由に設定して代替避難路を確認する訓練を実施したところであり、災害の状況に応じた情報収集の高度化に向け、ドローンの更なる活用に取り組みたいと考えている。
今後、住民アンケート等を踏まえ検証を行い、広域避難計画等に反映するとともに、訓練内容を見直し、関係機関と連携しながら更なる災害対策の習熟を図るなど、防災対策に終わりはないとの信念の下、原子力防災対策の一層の充実・強化に取り組んでまいりたい。

(本宮質問)
問5 デジタル総合戦略(仮称)の策定状況はどうか。また、本県のデジタル化の推進にどのように取り組んでいくのか。

【中村知事答弁】
デジタル総合戦略は、急速な進化を続けるデジタル技術を、行政の効率化をはじめ、県民生活の利便性や県内産業の生産性の向上等に幅広く活用し、地域の持続的発展に繋げていくための指針となるものであり、全国でも先駆的な戦略として、本年度末の策定に向け鋭意作業を進めている。
先月公表した骨子案では、デジタルでつなぎ切り拓く、活力と安心感あふれる愛顔のえひめという基本理念のもと、県民本位、市町との協働、官民共創の3つを基本方針として掲げ、誰一人取り残すことなく情報格差のないスマート愛媛の実現を目指す行政のDX、大規模自然災害等が頻発する中、県民の安全・安心を確保する共生社会の実現を目指す暮らしのDX、営業活動やブランド化等で培ってきた県内産業の強みをさらに伸ばす産業のDXを推進することを明らかにした。
今後は、県内の産学官等から幅広く意見等を頂きながら、3つのDXを実現する具体的な方策を盛り込み、来年度以降、本戦略に基づく愛媛独自のデジタル施策を積極的に展開することとしており、その円滑な推進に向け、現在、最高デジタル責任者の選任や県内各市町の統括窓口の設置についての検討・協議を進めるとともに、官民が協働し地域課題の解決を図るデジタルプラットフォームの構築や、自治体や企業等のデジタル人材の育成等にも取り組んでいる。
引き続き、オール愛媛の体制のもと、総合戦略に掲げる、積極果敢な挑戦、産学官の連携、新たな価値の創造という3つの基本姿勢を堅持しながら、本県のデジタル化の推進に全力で取り組んでまいりたい。

(本宮質問)
問6 コロナ禍におけるものづくり分野の販路開拓支援の取組状況と今後の展開方策はどうか。
 
【中村知事答弁】
感染症の拡大により、県内ものづくり企業では受注の減少や海外取引の停滞など影響が長引いているため、県ではオンラインによる営業活動を速やかに強化し、商談機会の確保や現地情報の収集・提供、新規顧客の開拓など県内企業の販路開拓を積極的に支援している。
このうち建築建材と農業技術を対象に8月末に開設したえひめバーチャル展示会では、既に約70件の新規商談に繋がったほか、大手建築・設計会社での個別商談会の実施、スゴ技企業に対する共同開発事案の打診など、リアルの場にもビジネスの動きが着実に広がっている。更に、県内の産業集積を生かしたマスク生産設備の導入補助など、コロナ禍におけるものづくり企業の新事業展開も力強く後押ししている。
またアジア地域に対しても出張等が困難な中、これまでの経済交流ミッションや現地パートナーとの関係蓄積を生かし、国別感染状況や市場ニーズ、企業別の対応戦略等を十分検討しながら順次ウェブでの商談を進めており、今後はJICA専門アドバイザーも支援態勢に加え、海外受注回復に向けた動きを確かなものとしたい。
国内外で感染収束の見通しが立たない状況下にあっても、加速するデジタルシフトへの対応はもとより、菅政権が掲げ国際的にも対応が迫られている温室効果ガス排出実質ゼロをはじめとするSDGsへの貢献などもしっかりと意識しながら、県内ものづくり企業の販路開拓を引き続き全力で支援してまいりたい。

(本宮質問)
問7 岡山理科大学獣医学部の自治体等との連携や地域への波及効果について、どのように認識しているのか。

【金子企画振興部長答弁】
獣医学部は、畜産・水産分野の高等教育機関として、島しょ部における有害鳥獣対策やアコヤガイへい死対策への参画をはじめ、各種研修会への講師派遣、災害時のペット同行避難や動物園の動物に関する学術研究の推進など、本県が抱える多様な地域課題の解決に尽力頂いている。
また、学生や教職員による西日本豪雨災害等のボランティア活動をはじめ、野生動物等に関する市民公開講座の開催や、県立高校での実習支援などの地域貢献活動にも積極的に取り組まれており、地元今治市の試算では、全学年が揃う令和5年度に、1,200人以上の学生・教職員が定住し、年間約21億7,000万円の経済波及効果が見込まれるとのことであり、人口減少の抑制や地域経済の活性化にも大きく寄与するものと期待している。
一方で、これまで四国入学枠の合格者が少数に留まっており、今後、獣医学部には、国家戦略特区として認定された趣旨に鑑み、四国内の公務員獣医師の安定的な確保に一層取り組むほか、人獣共通感染症への対策や、県内畜産業・水産業の生産性向上にも貢献して頂きたいと考えている。県としても、畜産農家や保健所での実習の支援などを通して、学生に本県畜産業の魅力や公務員獣医師としてのやりがいを感じてもらうとともに、今治市と連携しながら、若者の地元定着や人材育成、産業振興などに取り組み、県全体の活力創出につなげてまいりたい。

 第353回愛媛県議会定例会一般質問(平成29年8月)
 第347回愛媛県議会定例会一般質問(平成28年6月)
 議長就任記者会見の要旨(平成27年5月)
 議長就任あいさつ(平成27年5月)
 第331回愛媛県議会定例会代表質問(平成24年9月)
 第326回愛媛県議会定例会一般質問(平成24年3月)
 第321回愛媛県議会定例会一般質問(平成23年3月)
 第316回愛媛県議会定例会一般質問(平成22年2月)
 第313回愛媛県議会定例会一般質問 (平成21年6月)
 第307回愛媛県議会定例会一般質問(平成20年6月)
 第302回愛媛県議会定例会一般質問(平成19年6月)
 第298回愛媛県議会定例会一般質問(平成18年9月)
 第294回愛媛県議会定例会一般質問(平成17年9月)
 第289回愛媛県議会定例会一般質問(平成16年9月)
 第283回愛媛県議会定例会一般質問(平成15年9月)
 第277回愛媛県議会定例会一般質問(平成14年9月)
 第273回愛媛県議会定例会一般質問(平成13年9月)
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