問1 オミクロン株による感染第6波の収束に向け、どのように取り組んでいるのか。
<知事>
感染力の強いオミクロン株による第6波は、瞬く間に県内各地で感染が広がり、約2か月で陽性者は1万人に達し、現在は1,800人ほどになっているが、ピーク時には自宅療養者が2,500人を超えるほか、相次ぐ高齢者施設クラスターの発生に伴う高齢の陽性患者の増加も相まって、保健所業務や医療の負荷ともに高い水準が現在も続いている。
 このため県では、市町や関係団体等の協力を得て、保健所の体制を最大限強化しながら、医師会や薬剤師会等と連携した自宅療養者の健康観察や薬剤配送等に取り組むとともに、クラスター発生施設への感染管理指導や往診に当たるなど、自宅や施設内の療養者へのフォローに万全を期すほか、県医師会長からも、記者会見で、県民に医療の現状紹介と、感染回避行動の徹底を呼びかけていただいた。
 まん延防止等重点措置によるメニューは、飲食店中心のデルタ株までは有効に機能することもあったが、性質の全く異なるオミクロン株には太刀打ちできず、その変更を求めてきたものの、残念ながら現段階では議論はあれど変更には至っていない。まん延防止等重点措置には、対象地域とそれ以外の地域の同業種間における分断や、異業種間の給付金の有無による分断のほか、外出自粛の要請により全産業へ大きな影響を与える一方、その大半には協力金が支給されないというメニューの在り方に加え、飲食店のパトロールや要請に従わないところへの働き掛け、法的措置等に多くの人員を割かなければならないことなど、多くの問題があることを痛感した。協力金が補助金のように捉えられるようになった今、BA.2を踏まえるとメニューの変更は待ったなしであり、引き続き国に要請を続けて参りたい。
こうした状況から、本県の感染の実態に照らし、まん延防止等重点措置は、高い効果が期待できないことから、国へ要請していないが、重点措置と同等の県民への要請や高齢者施設の一斉検査、無料検査所の拡充に加え、私自身も会見でオミクロン株の特性を捉えた具体的な注意点等をお知らせしているほか、市長・町長や大学、経済団体等からも、現場の視点で関係者に呼びかけていただいた。こうした取組みを多くの県民の皆さんが真摯に受け止め、注意深く行動されていることで感染の増加を何とか抑えられており、直近で、人口10万人当たりの陽性者数は、47都道府県中45位である。
 未だ感染状況は減少局面に至らず、より感染力は強いとされるBA.2による再拡大も危惧されることから、引き続き、医療・保健福祉関係者や経済界など各界の意見を踏まえながら、感染防止と社会経済活動のバランスを重視した対策を機動的に実施するほか、ワクチンの3回目接種を推進するなど、第6波の収束に向け、緊張感を持って県民の命と健康を守る対策に全力で取り組んで参りたい。

問2 えひめ南予きずな博の開催を通じた交流人口の拡大や地域の活性化にどのように取り組んでいくのか。
<知事>
えひめ南予きずな博は、南予地域の豪雨災害からの創造的復興に力強く歩む姿と、頂戴した多くの支援への感謝の気持ちを全国に届けるとともに、コロナ禍で変化する働き方や暮らし方を体現できる南予の魅力やポテンシャルを最大限活かした、新たな観光・交流の在り方を提案するため、現在、4月の開幕に向けた最終準備を進めている。
 イベント本番では、宇和島市でのオープニングイベントを皮切りに、自然や歴史文化を活用した100以上の「いやし体験プログラム」や、これらを組み合わせたオーダーメイド型ワーケーションのほか、現地の暮らしや仕事を体感できる移住・定住促進ツアーなど、来訪者ニーズに寄り添った多様な体験・交流事業を実施することとしている。
 また、地域の公共交通を繋ぐデジタルフリーパスの発行や、道の駅等へのレンタルE-BIKEの設置などにより、圏域内の周遊促進や滞在の長期化を図るとともに、スマホアプリを活用した農業アルバイトのマッチングや、生産者自らがオンラインで販売促進を行うライブコマースの開催、地域内店舗で利用可能なクーポンカードの発行等を通じて、地場産業を支援し、地域の活性化に繋げたいと考えている。
 いよいよ来月からは、マスメディアやSNS等を活用した本格的なプロモーション活動に着手することとしており、会期中は、コロナ感染状況に応じて、オンライン等の手法も機動的に活用しながら、広く圏域内外の方々との絆や交流を更に深化させることで、ポストコロナを見据えた持続可能な地域づくりに向け、南予9市町や地元団体・住民等と一体となって全力で取り組んで参りたい。

問3 南予地域への移住促進や交流人口の拡大に向け、新たな人の流れをどのように創出していくのか。
<知事>
本県への移住者は年々増加し、昨年度は2,460人と過去最多となる中、南予地域のみが減少に転じるなど特に対策強化が必要であったことから、今年度、南予移住の支援拠点「南予サイン」や専従の移住マネージャーを設置するなど、支援態勢を強化しており、この結果、12月末時点での南予への移住者数は既に500人超と過去最多となっている。
 来年度は、この流れを一層加速させるため、南予地域への家族移住の割合が高い特長に着目し、子育て移住応援パッケージなどを展開することで、戦略的に子育て世帯や南予出身者の移住の拡大を目指すこととしている。
 具体的には、医療や教育環境等が充実した南予4市及び内子町と共同で実施する、最大5泊分を支援するオーダーメイドの移住体験ツアーや、移住に伴う住居の改修・家賃等への幅広い補助、1万円相当の地元特産品の年4回プレゼントなど、特色ある取組みに加え、デジタル技術を活用したプロモーションや移住フェア等で移住検討層を呼び込みたいと考えている。
 さらに、大手釣具メーカー等と連携し、南予が釣りのメッカである強みを生かしながら、ビジネスパーソン向けの釣りコンテンツを開発することにより、南予における企業合宿型ワーケーションの訴求力を飛躍的に高めて、交流人口の拡大にも繋げたいと考えており、これら所要経費を当初予算案に計上している。
今後も一層激しさを増す地域間競争の中で、移住先や交流先として南予地域を選んでいただけるよう、来年度の「きずな博」での交流も大切にしながら取り組み、特に移住面では、昨年度の南予移住者数435人から、今年度既に500人を超えているが、来年度は更に倍増の約千人を目標として、県・市町・関係団体の総力を挙げて取り組んで参りたい。

問4 本県産業の競争力強化に向け、デジタル人材の育成・確保にどのように取り組んでいくのか。
<知事>
新型コロナにより、企業を取り巻く環境や消費者ニーズが変化する中、ポストコロナも見据えながら、本県産業の競争力の強化を図っていくためには、デジタル技術とデータを活用し、社会経済の仕組みを再構築するDXの推進が不可欠であることから、先般、ITエンジニアを含むデジタル人材の育成と県内産業のDXの推進を両輪とする「あたらしい愛媛の未来を切り拓くDX実行プラン」を策定したところ。
 具体的には、デジタル人材の育成面では、産学官が人材ニーズや課題を共有するためのデジタル人材育成推進会議と、会議での意見や企業の人材ニーズを教育機関等に繋げ、本県オリジナルのマッチングシステムを展開するIT人材バンクを推進基盤とし、即戦力となる高度IT人材の確保に向け、海外や首都圏からの人材誘致や副業人材の活用等を進めるとともに、企業内でDXを推進する人材の育成に向けて、経営層の意識改革や中核人材の教育などに取り組んでいきたい。
また、将来の担い手育成を図るため、大学生を対象とした実践的なIT講座や起業を目指す若者を育てる短期集中講座を実施するとともに、県内定着に向けた奨学金の返還支援も行うほか、包括連携協定を結ぶIT企業とも協働し、再就職を目指す社会人のリスキリング支援にも取り組んでいきたい。
これらに必要な経費を今議会の当初予算案に計上したところであり、本県の産業競争力の強化に向け、2030年までにDXを支えるデジタル人材1万人の輩出を目指して、全力で取り組んで参りたい。

問5 ポストコロナを見据え、地域の実情を踏まえた面的な事業者支援体制の構築・強化にどう取り組むのか。
<経済労働部長>
県内企業が、コロナ禍を乗り越え持続的に成長していくためには、ニューノーマルに加え、デジタル化や脱炭素化など急速に変化するビジネス環境に適応して事業に取り組むことが求められているが、コロナにより、多くの事業者において経営体力が低下する中で、中長期的な経営戦略の策定や見直し等を個社単独で対応することは困難であることから、最新の知見やノウハウを有する外部の専門家を活用した支援体制を構築・強化することが急務と考えている。
 このため、県では、DX、カーボンニュートラルを踏まえた構造転換やポストコロナに向けた新事業展開の支援実績を数多く有するコンサルティング企業と本県の地域特性、産業構造に精通する金融機関、商工会議所等が連携して、それぞれの強みを相互に活かし合う、総合支援体制を構築し、県内企業の事業転換、経営力強化を後押しする。
 具体的には、優れた経営資源を有しながらも伸び悩んでいる個々の企業のみならず、取引先企業等も含めたサプライチェーン全体を俯瞰し、DXや脱炭素化等に向けた経営課題の解決を面的に支援するとともに、コンサルティング企業が有する最先端の経営支援ノウハウを地元金融機関等に移転することで、ポストコロナを見据えた関係機関の支援能力の強化も図ることとしており、今後とも、時代の変化に即応した事業者支援に取り組み、県内産業の競争力強化に努めて参りたい。

問6 大都市圏での県産農林水産物の販売拡大にどのように取り組んでいくのか。
<知事>
コロナ禍で制約される対面での営業活動を補完するため、県では、今年度から、こだわりの県産食材を「えひめの旬と通」と題したカタログに取りまとめ、えひめ食の大使館等の大都市圏の飲食店に毎月提案する本県独自のマッチング支援に取り組んでいる。飲食店からは、生産者の顔が見えるこれまでにない取組みとして高い評価をいただき、時短営業等が続く中でも提案した食材の半数以上で取引が実現するなど、営業手法の一つとして確かな手応えを実感している。
 このような実績を踏まえ、来年度は、この取組みで好評を得た多彩な食材を用いたメニューを目玉として、集客が期待できる時期に多数の店舗で同時に愛媛フェアを開催することで、売上げの増加と県産食材の認知度向上を図り、更なる取引拡大に繋げるほか、首都圏では、機動力のあるキッチンカーを活用したオフィス街等でのPR販売も展開し、愛媛ファンの獲得に努めたいと考えている。
 また、全農えひめECサイトで販売が倍増している柑橘など、ブランド産品等のデジタルでのPRを更に強化し、消費行動等の変化に的確に対応するとともに、コロナ収束後の購買意欲の高まりや産地間競争の激化も見据え、消費者への影響力が強いテレビや新聞等へのパブリシティ活動を展開しメディア露出を高めるなど、多様で重層的な手法を駆使し、大都市圏での県産農林水産物の更なる販売拡大を図って参りたい。

問7 2050年脱炭素社会の実現に向け、地球温暖化対策にどのように取り組んでいくのか。
<県民環境部長>
気候変動対策の重要性が一段と高まる中、県では、2050年脱炭素社会の実現を目指し、緩和策と適応策を両輪とする地球温暖化対策の取組みを強化することとしている。
 このうち緩和策は、県自ら率先して、防災拠点となる県庁第二別館の建替整備に当たり、太陽光発電設備等の導入を検討するほか、国の脱炭素先行地域への採択を目指し、とべもりエリアを対象にモデルプランの策定に取り組むこととしている。また、産業部門では、四国中央市カーボンニュートラル協議会の取組みへの支援に加え、中小企業向け脱炭素経営セミナーや個別相談の実施、運輸部門では、市町と連携した電気自動車の普及拡大をはじめ、急速充電設備や水素ステーションの整備促進、家庭部門では、LED照明買替えキャンペーンの実施など、あらゆる分野で温室効果ガス排出削減の取組みを加速したいと考えている。
 さらに適応策は、県気候変動適応センターを中核として、気温上昇による柑橘の種類ごとの栽培適地の変化や豪雨の発生頻度の将来予測を行い、長期的な視点で適応策の検討を進めるほか、再生可能エネルギー導入促進調査を引き続き実施し、令和5年度に改定予定の県地球温暖化対策実行計画に2030年度における新たな温室効果ガス排出削減目標等を盛り込むなど、今後とも、オール愛媛体制で地球温暖化対策を推進して参りたい。

問8 山鳥坂ダム建設の計画変更を踏まえ、どのように事業の推進を国に働き掛けていくのか。
<知事>
県では、最優先課題に掲げる西日本豪雨災害からの創造的復興に全力で取り組んでおり、中でも、戦後最大の洪水が発生した肱川においては、国と連携し、緊急的対応である河道掘削に続き、激特事業による堤防整備を進めているところであるが、肱川は、地形の制約から治水が非常に難しい河川であり、山鳥坂ダムの建設や野村ダムの改良など、下流全域の水位を低下させるダムを組み合わせた複合的な対策を進めていく必要がある。
 今回、国から示された山鳥坂ダムの計画変更については、完成時期が遅れること自体は残念であるが、大規模な地すべりを回避するためのやむを得ないものと理解している。変更後の計画では、令和14年度の事業完成を目標に、まずは、ダム本体工に先立つ河辺川付替え工事の早期着手を目指すと聞いており、国には、一日でも早く流域住民の方々が安全・安心な生活が送れるよう、一層の事業促進に取り組んでいただきたいと考えている。
今後、工事の本格化が見込まれることから、市民の声を受けて治水対策の促進を要望している地元大洲市とも緊密に連携し、要望活動をはじめとするあらゆる機会をとらえ、国に対し、事業推進に必要となる予算の確実な確保と、コスト縮減の徹底を併せて強く要請することにより、一日も早い山鳥坂ダムの完成を強力に働き掛けて参りたい。

問9 通学路の交通安全確保に県としてどのように取り組んでいくのか。
<知事>
愛媛の未来を担う子ども達を痛ましい交通事故から守るためには、通学路の交通安全確保が何より重要であり、本県では、県内全ての市町で策定している通学路交通安全プログラムに基づき、学校や保護者、道路管理者、警察等で構成する連絡協議会を中核として、通学路の定期的な合同点検や危険箇所の対策を実施するとともに、対策の実効性を継続的に確保することにより、ハード・ソフトの両面で交通安全対策に取り組んでいる。
 このような中、昨年6月の千葉県八街市での事故を踏まえ、車の速度が上がりやすい箇所や、大型車の進入が多い箇所等も対象に加え、連絡協議会による合同点検を改めて実施した結果、通学路の危険箇所数は、昨年12月末段階で911箇所であった。
 これら危険箇所では、既に学校等において通学路の変更や見守り活動の強化等のソフト対策が講じられているほか、県が対策を行う必要がある400箇所については、道路管理者や警察により、対応可能な箇所から順次、対策を実施することとしており、路側帯のカラー舗装や防護柵の設置、横断歩道の新設・補修など、通学路等の危険箇所を解消することで交通安全対策を加速させ、来年度末までに約9割の完了を目指している。
 今後は、歩道の新設等が必要な箇所について、来年度から創設される国の交通安全対策補助制度を積極的に活用し、危険箇所の早期解消に努めるなど、引き続き、市町など関係者間の連携を図り、子ども達が安心して登下校できるよう、通学路の交通安全確保に全力で取り組んで参りたい。

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