(獣医学部規制緩和に関する部分を抜粋)
本宮勇議員 質問

次に、獣医師養成系大学の設置についてお伺いをいたします。
 今治地域の厳しい経済、雇用情勢や、深刻化している地域活力の低下を克服するために、今治市ではタオルや造船などの地場産業の振興等を通じた雇用の確保や、今治新都市への企業誘致などに全力で取り組んでいるところでありますが、今ほど質問をいたしましたように、全国的な景気後退の影響等もありまして、再生に向けての力強い一歩を踏み出せていない状況にあります。
 こうした中、県では今治市と共同で、大学獣医学部の設置を地域限定で認めるよう、平成19年から8回にも及ぶ特区提案を行ってきたところであり、こうした取り組みに大変感謝をしておりますが、これに対する文部科学省の回答は、入学定員については全国的見地から大学全体の課題として対応することが適切であり、特区対応は困難であるというものであり、残念ながら特区提案はいまだ実現をいたしておりません。
 また、昨年の5月には地元の熱意を伝えるため、今治市長及び今治商工会議所会頭が、加戸前知事とともに文部科学省の鈴木副大臣に要望をいたしましたが、副大臣からは獣医師養成のあり方については、新成長戦略の中で検討し、戦略決定後、省として見直しを開始したい旨の発言があったとのことで、期待をいたしておりましたが、これまでのところ獣医学部の設置に向けた全国的な見地からの検討は、何ら行われていないところであります。
 今治地域において、獣医師養成系大学を設置することは、獣医師を志望する愛媛の高校生の教育機会の改善を図り、地域に根差した獣医師の養成を通じて、獣医師不足の解消につながるだけでなく、感染症や食品衛生分野などにおける最先端の研究機関である大学を核として、家畜保健衛生所や動物病院の獣医療水準の向上が図られるとともに、多額の建設投資や消費の拡大はもちろんのこと、将来的には食品産業や製薬、動物関連企業の立地も期待されるなど、疲弊する今治地域の活性化に大きく貢献するものであると考えております。
 関係団体等からは、さまざまな反対意見が出されるなど、獣医師養成系大学の設置認可は利害調整の側面もあり、困難な問題もあるとは認識しておりますが、どうか中村県政においても引き続き早期実現を目指して御尽力いただきたいと考えているところであります。
 そこで、お伺いをいたします。
 これまでの取り組みを踏まえ、県は獣医師養成系大学の今治市への設置について、どのように考え、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
 次に、県職員獣医師の確保対策についてお伺いをいたします。
 昨年11月末に韓国で再発生をした口蹄疫は、現在も猛威を振るい続けていますが、この封じ込めが成功しない大きな理由に、獣医師の不足があると言われております。また、昨年、宮崎県で発生をした口蹄疫の対応では、懸命に活動される家畜防疫員の方々の姿がテレビでたびたび映し出されておりましたが、宮崎県が全国有数の畜産県であるにもかかわらず、飼養頭数に比べて家畜防疫員の数が極端に少ないことが、農林水産省の口蹄疫対策検証委員会による最終報告書においても、重大な問題だと指摘をされております。
 本県においても、昨年10月4日に加戸前知事が農林水産大臣と面談し、大学獣医学部の設置による体制強化を要請した際には、本県での口蹄疫対策において獣医師不足を痛感したと話されておりましたが、現在多くの県が懸命に獣医師の確保に努めているものの、以前にも増して公務員獣医師を確保することが困難になっていると聞いております。
 その背景には、近年のペットブームとともに、獣医師を目指す学生の多くが、犬や猫を診る小動物診療志向になっていることがあると言われており、他県では受験年齢制限を大幅に緩和したり、奨学金や各種手当を支給したりするなど、獣医師確保のための激しい争奪戦が繰り広げられているとも聞いております。
 農林水産省は、昨年8月に、獣医師を提供する体制の整備を図るための基本方針を公表し、畜産分野の獣医師確保に向けて小動物分野との所得格差を解消するための労働環境改善などの対策を含めた体制整備が必要であると都道府県に求めておりましたが、私も高い収入が得られるペット診療獣医師や大都市部に集中する公務員獣医師を本県に誘導し、口蹄疫など家畜伝染病の防圧に必要な獣医師をしっかりと確保していくためには、賃金格差を埋めるなど、魅力ある待遇を実現することが重要であると思うのであります。
 そこで、お伺いをいたします。

平成23年 第321回定例会(3月 2日)  
横田潔企画情報部長 答弁

本宮議員にお答えをいたします。
 獣医師養成系大学の今治市への設置について、どのように考え、今後どう取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。
 今治市への獣医師養成系大学の設置につきましては、これまで8回にわたり特区提案を行ってきたところでありまして、一時は文部科学省において、国の新成長戦略の中に獣医師の重要性を書き込むことによって、全国的に対応できるようにしたいとの動きもありましたが、結局は新成長戦略への記載は果たされず、実現には至っておりません。
 現在、四国地域には、獣医師養成系大学が全く立地しておらず、他の地域以上に獣医師が不足している状況でありまして、万一、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの大規模な感染症が発生した場合には、十分な対応がとれないおそれがあり、感染症、公衆衛生分野の診断、研究機能の強化や家畜診療等を担う獣医師の安定確保は、本県にとって重要な課題であると認識しております。
 また、本宮議員お話のとおり、今治市への獣医師養成系大学の設置は、関連企業の立地や新事業の創出等を誘引し、今治地域、ひいては本県経済の活性化にも大きく貢献するものと期待されることから、県といたしましては今後とも今治市と連携、協力しながら、獣医師養成系大学の設置が実現するよう、粘り強く国に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 第372回愛媛県議会定例会一般質問(令和2年12月)
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