(獣医学部規制緩和に関する部分を抜粋)
本宮勇議員 質問

最後に、岡山理科大学獣医学部開学による地域への波及効果についてお伺いをいたします。
 岡山理科大学獣医学部は、国内で半世紀ぶりに誕生をした獣医学部として、平成30年4月に、私の地元今治の地で開学をいたしました。多くの高校生が進学に伴って市外に転出をし、卒業後も地元に戻ってこない状況にあった今治市にとって、大学の誘致は40年来の悲願でもありました。今治市とともに、構造改革特区の提案や、省庁への要望活動を粘り強く続けてこられた県関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げる次第であります。
 大学では現在、約600名の若者たちが日々研さんを積んでおり、また、各自が地域の一員として活動することで、まちに活気が生まれつつあります。残念ながら、今年は新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業の実施や課外活動の制約など、学生を取り巻く環境が一変をし、特にこの春に入学したばかりの学生は、不安な日々を過ごしているのではないかと危惧をいたしておりますが、新型コロナウイルス収束後は、充実した大学生活を送られることを願っております。
 また、例年多くの市民でにぎわう大学祭「ゆめいこい祭」も中止を余儀なくされましたが、このような中にあっても、大学では、コロナ対策に細心の注意を払いながら、大学や学生と地域住民とのつながりの確保に腐心をされており、10月末には、新型コロナウイルスの影響により延期をされていた大学主催の市民公開講座が再開されるとともに、新たな取組として、同日に開催をされたキリンの生態や動物の角などをテーマとした小学生向けの公開講座には、多くの子供たちが訪れたと聞いております。
 獣医学部の特徴を生かしたこれらの地域貢献の取組をきっかけに、子供たちにとって、大学が身近な存在となり、また、獣医師という仕事に関心を持つ子供が増えることで、将来的に、若者の地元定着や、県内や四国内での公務員獣医師の確保等にもつながっていくことを強く期待いたしているところでもあります。
 また、昨年は、島嶼部のイノシシ被害の調査・対策を実践する大学の取組を生かして、地元の今治明徳短期大学と連携をし、捕獲されたイノシシを使ったジビエメニューを両大学の学生が開発し、双方の大学祭等で提供するというユニークな取組も行われました。こうした取組を地道に継続していくことで、大学が地域にとってかけがえのない存在となり、様々な分野で地域活性化の中心的な役割を担っていくものと確信をいたしております。
 そこで、お伺いをいたします。
 岡山理科大学獣医学部の開学から2年半が経過をし、地域との交流が進んでおりますが、自治体等との連携や地域への波及効果について、どのように認識しておられるのかお伺いをいたします。
 終わりになりますが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、議員活動の自粛を余儀なくされ、我々議員にとっても苦難の年となってしまいました。地域を回り、集会を重ね、住民の声を聞くとともに、県政の取組をお知らせする議員としての本来の役割を十分に果たせないまま年の瀬を迎えざるを得ないという、これまでの議員生活において経験をしたことのない年となってしまいました。来年は、新型コロナウイルスが早期に鎮静化をし、これまでのように地域に密着した活動を行うことができる環境が整うことを心から願いまして、質問を終わらせていただきます。

令和 2年 第372回定例会 一般質問(12月 4日) 
中村時広知事 答弁

本宮議員に、まず、保健所の体制強化についての御質問にお答えをさせていただきます。
 全国的な感染拡大が続き、本県においてもクラスターが発生するなど陽性確認が増加している中、陽性となった方に寄り添いながらも積極的疫学調査を行う保健所、正確かつ迅速な検査を実施する衛生環境研究所、多くの患者を受け入れていただいている医療機関、そして最前線で使命感を持って治療に携わる医療従事者など、県民の皆さんの命や健康を守るため奮闘されている関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。
 確認された事例からのさらなる感染拡大を防ぐためには、感染者や濃厚接触者等の迅速な把握と感染事例の確実な囲い込みが不可欠でありますことから、関係者の把握や健康観察等を担う保健師などの専門職を確保し、保健所の体制強化を図ることは極めて重要であります。
 県では、年度当初より保健所の体制強化を進めており、11月末時点で6名のOB保健師を会計年度任用職員として県下の保健所へ配置したのに加えまして、新たに、年内の運用開始を目指して、市町などの保健師を県の保健所に派遣していただく仕組みの構築を進めているところでございます。
 各方面からの支援により、必要な専門職の確保に一定のめどがつくとともに、市町などの保健師に保健所業務を経験していただくことは、保健所機能の充実のみならず、県下全体の新型コロナ対応の底上げにもつながるものであると思います。
 また、今回、陽性確認やクラスターが集中した松山市保健所に県の保健師を複数応援派遣しているように、状況に応じて保健所間での専門職の相互支援を実施し、必要があれば、国が構築している都道府県を越えた保健師等の応援派遣スキームも活用することとしており、感染防止には、何よりも県民の皆さんの感染回避行動の徹底が重要でありますが、県としても、引き続き緊張感を持って、保健所の体制強化と感染拡大の防止に努めてまいりたいと思います。
 次に、鳥インフルエンザの御質問でございます。
 高病原性鳥インフルエンザは、強い感染力や高い致死率から畜産経営に甚大な被害をもたらす重大な疾病であり、本県では、香川県での最初の事例の発生を受けて、直ちに緊急防疫会議を開催し、衛生管理基準に沿った野生動物の侵入防止対策や消毒などを生産者に徹底するとともに、家畜伝染病予防法に基づく消毒命令を2度にわたって発出し、消石灰を配付して緊急消毒を行うなど、最大限の警戒感とスピード感を持って、予防措置を現在講じているところでございます。
 それでも、万が一の発生時には、対策本部を速やかに立ち上げ、私がトップとなって、全庁を挙げて防疫措置を行うこととしています。また、発生に備えて、平時から動員体制の整備や初動防疫に必要な防疫資機材の配備、防疫作業に協力いただく県建設業協会など、民間団体との支援協定の締結に加え、自衛隊や警察等の関係者も参加する防疫演習を毎年実施し、対処方法や手順の確認を行うなど、早期の終息が図れるよう、防疫体制の強化に努めているところでございます。
 鳥インフルエンザは、冬から春にかけての発生が多く、今シーズンの脅威が去るまでにはまだ時間がかかると思います。そこで、引き続き市町や関係団体等との緊密な連携の下、しっかりと緊張感を持って高いレベルでの警戒体制を維持していくとともに、昨年度から家畜伝染病に関する連携を深めている岡山理科大学獣医学部の専門的な知見も生かしながら、発生予防はもとより、発生時に備えた防疫対策に万全を期してまいりたいと思います。
 次に、デジタル総合戦略に関する御質問でございます。
 デジタル総合戦略は、急速な進化を続けるデジタル技術を、行政の効率化をはじめ、県民生活の利便性や県内産業の生産性の向上等に幅広く活用し、地域の持続的発展につなげていくための指針となるものであり、全国でも先駆的な戦略として、本年度末の策定に向け、鋭意作業を進めております。
 先月公表した骨子案では、「デジタルでつなぎ切り拓く、活力と安心感あふれる愛顔のえひめ」という基本理念の下、県民本位、市町との協働、官民共創の3つを基本方針として掲げ、誰一人取り残すことなく、情報格差のないスマート愛媛の実現を目指す行政のDX、大規模自然災害等が頻発する中、県民の安全・安心を確保する共生社会の実現を目指す暮らしのDX、営業活動やブランド化等で培ってきた県内産業の強みをさらに伸ばす産業のDX、この3つの推進を目指していくことを明らかにしたところでございます。
 今後は、県内の産学官等から幅広く御意見をいただきながら、3つのDXを実現する具体的な方策を盛り込み、来年度以降、本戦略に基づく愛媛独自のデジタル施策を積極的に展開することとしており、その円滑な推進に向け、現在、最高デジタル責任者の選任や県内各市町の統括窓口の設置についての検討・協議を進めるとともに、官民が協働し、地域課題の解決を図るデジタルプラットフォームの構築や、自治体や企業等のデジタル人材の育成等にも取り組んでいるところでございます。
 引き続き、オール愛媛の体制の下、総合戦略に掲げます積極果敢な挑戦、産学官の連携、新たな価値の創造という3つの基本姿勢を維持しながら、本県のデジタル化の推進に全力で取り組んでまいりたいと思います。
 次に、コロナ禍における営業等々の活動についての御質問でございます。
 感染症の拡大により、県内ものづくり企業では、受注の減少や海外取引の停滞など、影響が長引いているため、県では、オンラインによる営業活動を速やかに強化して、商談機会の確保や現地情報の収集・提供、新規顧客の開拓など、県内企業の販路開拓を積極的に支援し続けているところでございます。
 このうち、建築建材と農業技術を対象に、8月末に開設したえひめバーチャル展示会では、既に約70件の新規商談につながったほか、大手建築・設計会社での個別商談会の実施、スゴ技企業に対する共同開発事案の打診など、リアルの場にもビジネスの動きが着実に広がっているところでございます。
 さらに、県内の産業集積を生かしたマスク生産設備の導入補助など、コロナ禍におけるものづくり企業の新事業展開も力強く後押しをさせていただいているところでございます。
 また、アジア地域に対しても、出張等が困難な中、これまでの経済交流ミッションや現地パートナーとの関係、蓄積を生かして、国別感染状況や市場ニーズ、企業別の対応戦略等を十分検討しながら、順次ウェブでの商談も進めており、今後は、JICA専門アドバイザーも支援体制に加えまして、海外受注回復に向けた動きを確かなものとしていきたいと思います。
 国内外で感染収束の見通しが立たない状況下にあっても、加速するデジタルシフトへの対応はもとより、菅政権が掲げ、国際的にも対応が迫られている温室効果ガス排出実質ゼロをはじめとするSDGsへの貢献などもしっかりと意識をしながら、県内ものづくり企業の販路開拓を引き続き全力で支援してまいりたいと思います。
 その他の御質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。

令和 2年 第372回定例会(12月 4日) 
金子浩一企画振興部長 答弁

獣医学部に関する御質問にお答えします。
 獣医学部は、畜産、水産分野の高等教育機関として、島嶼部における有害鳥獣対策やアコヤガイへい死対策への参画をはじめ、各種研修会への講師派遣、災害時のペット同行避難や動物園の動物に関する学術研究の推進など、本県が抱える多様な地域課題の解決に尽力いただいているところであります。
 また、学生や教職員による西日本豪雨災害等のボランティア活動をはじめ、野生動物等に関する市民公開講座の開催や県立高校での実習支援などの地域貢献活動にも積極的に取り組まれており、地元今治市の試算では、全学年がそろう令和5年度に1,200人以上の学生、教職員が定住し、年間約21億7,000万円の経済波及効果が見込まれるとのことであり、人口減少の抑制や地域経済の活性化にも大きく寄与するものと期待しております。
 一方で、これまで四国入学枠の合格者が少数にとどまっており、今後、獣医学部には、国家戦略特区として認定された趣旨に鑑み、四国内の公務員獣医師の安定的な確保に一層取り組むほか、人獣共通感染症への対策や、県内畜産業、水産業の生産性向上にも貢献していただきたいと考えております。
 県といたしましても、畜産農家や保健所での実習の支援などを通して、学生に本県畜産業の魅力や公務員獣医師としてのやりがいを感じてもらうとともに、今治市と連携しながら、若者の地元定着や人材育成、産業振興などに取り組み、県全体の活力創出につなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 第372回愛媛県議会定例会一般質問(令和2年12月)
 第347回愛媛県議会定例会一般質問(平成28年6月)
 第321回愛媛県議会定例会一般質問(平成23年3月)
 第316回愛媛県議会定例会一般質問(平成22年2月)
 第307回愛媛県議会定例会一般質問(平成20年6月)

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