平成26(2014)年に「地方創生」関連法案が成立します。この法案の目的は、地域の自立を促進させ、国の地方自治への財政的な負担を減らすことにありました。そのため、「地方切り捨て」が論じられ、地方からも大きな反対の声が上がっています。
 しかし、私はこのことを単に「切り捨て」と捉えるのではなく、地方都市の持つさまざまな問題点を解決する機会だと考えるべきだと考えました。
 地域の問題は、財政を国に頼るために自治体の独立的な運営ができないことにあり、この法案は地方が自立した経営を確立するために取り組むことが必要なのです。この法案が提起したのは、国と地方の対立ではなく、地域の自治体での競争意識の醸成と、危機意識の共有による前向きの議論が行われることでした。

 昭和58(1883)年、重厚長大型の産業に頼っていた今治市をさらに発展させようと、市の中央部から西北方向に向けて広がる山間部を開発し、商業・産業都市とする産業地域と、住宅地と学園都市地域という2つの地域にして、企業と大学を誘致できるように開発して、造船やタオルだけに頼らない、活力ある新たな街づくりを進めました。
 ところが、この構想はなかなか前に進まず、構想は手つかずの状態でした。平成11(1999)年のしまなみ海道開通に伴い、この構想が動き始めます。また、当時の加戸守行知事のバックアップにより、翌12年には事業のゴーサインも出て土地買収も始まり、ようやく工事スタートにこぎ着けることができました。平成24(2012)年に造成工事が完了しますが、今治の発展のためには企業や研究機関を誘致しなければなりません。
 そこで私たちは、多くの企業人や教育機関の人たちに声をかけまくります。その中で、誘致の成功に導くことができたのが「イオン」と「加計学園」でした。どちらも、私の知り合いへの声がけに端を発し、多くの方々の努力と尽力によって誘致が実現したのです。

 商業都市、産業都市のほうは、「イオン」が進出することが決まりましたが、リーマンショックによる長期の景気低迷、平成23(2011)年の東北大震災などの景気低迷などを理由に大幅に遅れ、平成26(2014)年春までに開業することは持ち越されましたが、平成26(2014)年6月7日にようやく起工式を迎えることができました。
 当初、学園都市地域の中核となる大学には、地元の松山大学との話が進んでいました。経営マネジメント学部をここに招き、若者が賑わう街を目指したのです。
ところが、同大学の誘致は学内合意が得られずに突然、頓挫してしまいました。土地買収まで進みながら誘致の失敗で空き地となり、宙に浮いてしまったのです。
 平成17(2009)年の正月、私は市内の友人宅で、小学校から高校まで同級生だった加計学園事務局長と久々に再会しました。私は「今治市で大学を誘致しているが、どこも来てくれない。お前のところの大学はどうだ?」と聞きました。しかし、「少子化の時代に地方に大学を進出させるのは難しい」と首を縦に振ってくれません。その後、何度もお願いを続けたところ、「人気があり、競争率の高い獣医学部だったら考えてもいい」と、ようやく応じてくれました。
 私は早速、加戸知事のところへ相談に赴きました。当時、加戸知事は県内の公務員獣医師の不足に頭を悩ませていました。鳥インフルエンザなどの家畜伝染病が相次ぎ、22年に口蹄疫が発生した時は、人数の少ない獣医師たちに不眠不休の対応を強いらねばなりませんでした。知事は「地域活性化と公務員獣医師確保ができ、一石二鳥」だと、この朗報に喜んでいただきました。

 ところが国の規制と日本獣医師会の工作により、獣医学部設置はなかなか進みませんでした。この誘致計画が動き始めたのは平成25(2017)年12月のことです。「岩盤規制をドリルで破る」というスローガンを打ち出した、安倍内閣の「国家戦略特区」により、なんとか誘致への道筋がついた時、マスコミから「総理のご意向」により加計学園の設置が決まったという報道が始まりました。
 単なる憶測にしか過ぎないものによって日本中が大騒ぎとなり、取材のために今治市に常駐するテレビ局も現れました。私たちにとって、このことは思いもよらないことでした。前加戸知事が国会で述べたように、当時の私たちは、加計学園が総理の知り合いだと知っていたら、まず先に総理へお声がけしたことでしょう。それほど、獣医学部設置はイバラに満ちた道だったのです。

 こうした困難なことをやり遂げることこそ、政治家冥利に尽きます。今までの政治活動を振り返って、私がまず先に思いつくのは、この「イオン」と「加計学園」のことでした。
 それぞれのページを用意しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。また、県議会の一般質問でも、新都市に関する質問をしています。こちらもご覧いただければ幸いです。

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